鶴岡食文化女性リポーター 山ぶどう編レポ その3

のりえもん

2012年10月17日 22:59

その3 最終章

12時40分よりつづいた山ぶどうの体験もついに佳境にはいりました!いよいよ味覚体験の時間です。
「山ブドウを味わう」と題し、一体どんな料理になっているのか楽しみです。その中でも一番気になっていたのが「ぶどう葉餅」です。「つるおかおうち御膳」という鶴岡の郷土料理をまとめた本の中に、「ブドウと名がついているのにブドウの実じゃなくて葉を使った餅」というおもしろい料理だったので、すごく気になっていたのです。
私が所属している食生活改善推進協議会羽黒の役員メンバーも、食べたことある人がいないので、今回もしかしたら出るかな?とすごくワクワク
そして田麦荘さんは国道112号を通るたび、横目でちらっと見ていましたが、中に入るのも初めてだったので、これもまたワクワク

懐かしい雰囲気のロビーに入り、着替えをして、大広間に移動。ずらっとお膳が並び圧巻です。

席に座ったらありました!ぶどう葉餅です!やっほう


乾杯の後に次から次へとお料理がやってきますが、どれも山ブドウが使われていて、しかも山ぶどうの味が上手に引き出され、他の材料の味とみごとにマッチしていて、予想外のコラボレーション

この日のために、なんば農園の難波さんと料理長の渋谷さんが2週間かけて考えてくれたお料理なのだそうです。今回限りのスペシャルメニュー山ぶどうの味を知り尽くした方だからこそ出来たメニューなのですね!

中でも私が珍しいと思ったのが4つ。
①アケビの山ブドウ漬け(山ブドウの味とほのかなアケビの苦みがベストマッチ!)
(写真右上参照)


②山ブドウのを使った牛たたき寿司(ごはんに山ぶどうの味がこんなにあうなんて~!寿し酢よりもなんだか上品!)
(写真左下参照)


③なんど大根のすり流し なめこ・針柚子入り (なんだか梨のすりおろしのようにまったりととろみがあるのはナゼ?ほのかに甘くて不思議な触感)(写真中央上参照)
なんど大根ってなんだ?と思っていたら、田麦地区の「なんど山」というところに植えた大根だからとのこと。普通の青くび大根を植えているのだけど、なんど山に植えると味がとても美味しくなり、梨のような独自の触感と甘味になるのだそうです。生で食べても普通の大根と味が全く違うので、違う大根をだしてもすぐわかるのだとおかみさんが説明してくれました。
標高が違うだけで、同じ大根がこんなに味が変わることにびっくりです!山はまさに様々な命の母体なのですね。

④ぶどう葉餅(ブドウの葉を使った餅)
おかみさんの説明によると、6月の新芽と若葉のブドウの葉を収穫し(6月の若葉以外は使わない)、乾燥させたらあく水で柔らかく煮て、もち米に混ぜて蒸しあげ、餅にしてあんこをいれて丸めて作り、朝日ではぶどうっぱ餅というそうです。今回は柔らかさを出すために、ジャガイモを混ぜて餅にしたそうです。乾燥した葉も見せてくれましたが、全くブドウ色じゃないな~


これら以外にも沢山のお料理で山ブドウのよさを満喫!全部食べきっておなか一杯!美味しかった~
ツアーの方たちとも和気あいあいと庄内の料理の話でもりあがり、別れを惜しみつつ味覚体験が終了し、帰るときにぶどう葉餅のお土産を売っていたので、2パック購入してかえりました。パックには「古代もち」と木のタグが入っていたので、「あれ?ブドウ葉餅って書いてない?」と気になり翌日調べてみたら・・・

干したブドウの葉を入れて餅を作る地区は、朝日地域と温海地域の2か所あり、朝日は「ぶどうっぱ(葉)餅」とよび、温海地域は「古代餅」と呼ぶのでした。

緑色は草餅で、黒っぽい色がぶどう葉餅です

温海の作り方は、蒸した米の上にあく水で柔らかく煮た乾燥ブドウ葉をちぎってのせ、さらに蒸すのに対し、朝日は米とあく水で柔らかく煮たブドウ葉を初めから一緒に蒸しあげるところが違うだけで、他の工程はほとんど一緒なのでした。
味は・・・すばり美味しい!んめ~ 売っていたら、是非一度食べてみてください。おすすめです!

呼び方は違えど、中身は同じ!摩耶山を隔ててほぼ同じ地域食が伝わっているところが、文化の交流が昔からあったのだなあと、なんだかうれしくなりました。

今回の「鶴岡食文化女性リポーター山ぶどう編」大変楽しく、また新たな発見が多く、この鶴岡の食の豊かさを改めて実感しました。多くの方々の努力により受け継がれてきた伝統とこの自然豊かな鶴岡を、もっと沢山の方に知って足を運んで頂きたいと思いました。
そして子供たちにも「鶴岡ってすげーんだぜ」と胸をはってもらえるよう、いろんな食文化を伝えて行きたいと思います。

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